透析とはどんなことをするのか?

■仲良
「東石さん、ところで、一体、透析ってどんなことをするのですか?結構、透析って大変て聞くんですけど。。。」

■東石
「血液透析は「Hemodialysis」を略して「HD」とも呼ばれるんじゃ!
血液透析では、血液を体内から外部へと出して機械を通して血液をきれいにし、再び体内に循環する!
このため、1分間に約200mlの血液を取り出す必要があり、これを長時間持続させるので、普通の血管ではこれだけの血液流量を確保できんのじゃよ!
だから、一般的には利き腕の反対の腕でなるべく前腕の手首に近い部位、または親指の付け根に血液の出入り口となるシャントを作る。
シャントは、手術によって静脈と動脈をつなぎ合わせて太い静脈にしたものなんじゃが、シャント作成の手術は局所麻酔で行われて、約1~2時間程度の時間が必要になる!
週に決まった回数、設備のある施設に通院して治療を受ける血液透析は、まずシャント部に脱血用と返血用の針を刺すんじゃ!」

■仲良
「そこから一体どのような処置がとられるんですか?」

■東石
「その後、最初は低い、血液の流量で設定された、血液ポンプが動き始めると、動脈側の針から体外へ血液が引き出される。
その後、設定された血液流量まで徐々に上げてゆくんじゃな。
体の外へ引き出された血液は、血液ポンプを経て、ダイアライザーと呼ばれる、いわゆる人工腎臓に送られる。ダイアラザーの中で余分な、老廃物と水分が除去されて、きれいになった血液は、静脈側の針から体内に戻ってゆく。
この循環を各患者で設定された透析時間の間続け、予定した水分量が体内から引き出されたところで透析が終了するんじゃ。
私は週に三回、この透析を繰り返しておる!!!!
もちろん、大変!
病院に行く時間、待機する時間、透析を受ける時間、帰宅するまでの時間…。
1日の中で結構な時間を取られるが、私は幸いなことに、設備のある施設の病院がわりとこうして近い距離にあるんで他の患者さんよりは多少楽かもしれん。
ただ、まぁ、これも慣れ。
慣れてくれば、これらの時間を差し引いて1日を組み立て、空いた時間で、運動をしたり、食事をしたり、仕事をしたり、趣味に時間を割いたり。
まぁ、さほどストレスもなく、毎日が送れるようになる…。
とにかく、透析を受けることをちゃんと習慣化して、それを含めて時間を組み立てれるようになれば、大分、キモチは楽になる!
ただ、わしみたいに、血液透析を受けて、糖尿病腎症の治療にあたっている人だけじゃなく、腹膜透析という方法で透析治療を受けている人もおる。

■仲良
「腹膜透析…?ですか?もっと詳しく教えていただけませんか?」

■東石
「腹膜透析について簡単に説明すると、まず腹膜透析を受けるにあたっての準備として、おなかの中に透析液を入れるための管、カテーテルを入れる手術をする必要がある。カテーテルの先端が、おなかの中で最適な位置に来るように手術の時に固定すると、カテーテルの先端がおなかの中で移動して透析液の出し入れが不十分になることを防ぐことができ、透析開始後のトラブルが明らかに減少するらしいぞ!
カテーテルが皮膚の下から外に出てくる部位(出口部といいます)は腹部の左右どちらかに作られることが多いですが、ベルトやシートベルトが当たったり腹部のしわに一致する部位は避けることになっておるらしい…。
腹膜透析は通称PDと呼ばれ、おなかの中に、透析液を注入し一定時間、貯めている間に血液中の尿毒素や塩分・水分が腹膜を介して透析液に移動する。その後透析液を体外に取り出すことで血液をきれいにするんじゃ。
週3回程度通院して行われることが多い血液透析と比較して、通院回数を減らせて自由に過ごせる時間を作りやすい、時間をかけてゆっくり透析が行われるので体への負担が少ない、カリウム制限が緩やか、残っている自分の腎臓のはたらきを長持ちさせることができるなどのメリットがあるそうじゃ。
ただ、この治療を受けれる病院が少ないというのも事実で、正直、あまり普及をしているとはいえんかもしれん…。」

■仲良
「とにかく透析を受けることでいろいろな症状が改善されるみたいですね?」

■東石
「透析を受けることで、UN,クレアチニンなど、たんぱく質が分解されてできた物質をはじめとする尿毒症状が除去されるため、尿毒症状が改善されることになる。
体内の余分な水分も取り除かれ、電解質も調節されるため、健常な状態を取り戻すことになるんじゃよ!
また、透析は貧血の改善にも効果があり、さらにエリスロポエチン製剤という製剤を使用すると、貧血はほぼ完全に克服することができるそうじゃ。
また、からだにたまったナトリウムと水分が血圧を上昇させるが、透析で十分な除水を行うことで高血圧を改善することができるという!
透析は、腎不全の方々の生命維持と生活の質を高めるために、なくてはならない治療法なんじゃよ!」