糖尿病腎症における腎臓の症状とは

■仲良
「東石さん、糖尿病腎症における症状について、今日は質問してゆきたいのですが、まずは、そもそもの要因について!これやはり遺伝なのでしょうか?」

■東石
「“糖尿病なりやすい体質は遺伝する”とかなり前から言われておるが、実際に、両親がともに糖尿病の場合、65歳までに糖尿病になる確率は40~50%と高くなっておる!
さらに、一卵性双生児の場合は、41~94%というのですから驚異の数字!ただし、糖尿病が遺伝するわけではなく、あくまでも糖尿病になりやすい“体質”が遺伝するわけなんじゃ!

独立行政法人理研化学研究所の報告によれば、「KCNQ1(ケーシーエヌキューワン)」という遺伝子が、2型糖尿病の関連遺伝子であるという研究結果を発表しておる!
このKCNQ1遺伝子は、カリウムチャンネル遺伝子のひとつで、心臓の筋肉でとても重要な働きをする遺伝子のことなんんじゃ!
この遺伝子を持っていると、2型糖尿病になるリスクが1.3~1.4倍!!に増えることが結果が出ていますので【要注意遺伝子】だと言えるだろうな!

■仲良
「ところで、糖尿病腎症の人は低血糖に陥りやすいといいますが、そもそも低血糖ってどんな症状なんですか?」

■東石
「低血糖とは、高血糖の逆で、血液中のブドウ糖が少なくなった状態のことを言う。基準としては、血糖値が60~70mg/dl以下の場合が低血糖とされておる。」
軽い低血糖であれば、糖分を摂取することで改善されることもあるが、低血糖がひどい場合は治療をしなければならん!
血糖値は食事によって変動をしているのですが、正常な変動幅は70mg/dl~120mg/dlの間!。年齢・性別・状況によって多少差が出てくる!
じゃ、低血糖症の原因には何があるのじゃろうか?
原因として、糖尿病の治療に使われるインスリンの過剰投与、内服薬の使用量過多、食事摂取の不足、抗不整脈薬、アルコール摂取などの外因性の原因があるといえる。
また、胃切除後のダイピング症候群、胃下垂、インスリン感受性の高い人などの内因性の原因は、反応性低血糖という低血糖症にかかりやすいのですが、食事の摂りかたなどで予防することが出来る!
実はこの低血糖、誰もがなってしまう可能性があるので気をつけねばならん!。早朝の空腹時低血糖や食事のあとにも低血糖を起こしている場合もあるがほぼ8割の場合が自然に治るので気付かない場合が多いようなんじゃ!

では、低血糖症の症状はどのようなものがあるのじゃろうか?
血糖値は急激に下がる場合もあるし、緩やかに下がる場合もある。血糖値が急激に下がる場合は、自律神経症状(空腹・発汗・不安・動悸・震え・唇の乾燥など)が強くあらわれる!
また、血糖値が緩やかに下がる場合は、中枢神経症状が強くあらわれるんじゃ!。
症状として、集中力がなくなる・眠気が酷い・意識の混濁・おかしな行動・頭痛・ケイレン・昏睡状態などかのぉ。
本人が自覚していない場合もあり、その状態を無自覚性低血糖と言い、何度も低血糖を起こしてしまうことがあるんじゃ。

糖尿病神経障害と無自覚性低血糖を合併すると、命の危険を及ぼすこともあるので、とても怖い病気の1つなんじゃぞ!
もし、低血糖かな?と思った場合は、甘いものを口にする。そして、その後、症状が良くなった場合は低血糖の可能性がある。何度も症状が表れた場合は、必ず医療機関を受診したほうがよじゃろう!」

■仲良
「糖尿病は感染症にかかると、大変なことになると聞きましたが?」

■東石
「糖尿病になると様々な合併症を伴うものなんじゃ。中でも注意してもらいたいものが「感染症」。
感染症と言っても、はて?なんだろう?そんなふうに思う人が多いかもしれんのう!
簡単に言うと、感染症とは、病原体によってもたらされる病気のこと。病原体といってもピンとこないかの?
病原体とは、細菌やウィルス、カビなどのことをいう。
糖尿病になると免疫力が落ちてしまうので、健康な人であればかからないような病原体の影響を受けてしまい、様々な病気にかかってしまんじゃ!。
身近なものとしては「風邪」じゃが、他にもかかりやすい感染症として、
・肺炎
・膀胱炎(ぼうこうえん)
・腎盂炎(じんうえん)
・皮膚炎
・胆嚢炎(たんのうえん)
・歯肉炎

などがある。
こういったものに、かかりやすいだけでなく、重症になってしまう場合も多くて、さらに、治りにくい場合が多い。
まとめると、糖尿病患者の場合、
感染症に・・・
◆かかりやすく
◆重症化しやすく
◆治りにくい
こういう大変危険な3つの要素が絡んできてしまうので、要注意なんじゃ!

■仲良
「口臭や体臭にも影響を及ぼすと聞いたのですが、本当ですか?」

■東石
「そもそも、体臭とはどのようにして発生するのかというところから話をせねばならんかの?
体臭のもっとも大きな原因は、汗が原因といわれておる。皮膚にはアポクリン腺、エクリン腺などの腺があり、そこから汗がでてくる。
その汗が細菌によって分解されたときに体臭が発生する。また、皮脂腺から分泌された皮脂が空気に触れることで酸化する。細菌と酸化した皮脂が混じりあい、体臭の臭いの元となるんじゃ
糖尿病の場合は、糖の代謝が進まないために甘酸っぱい臭いがすることが多いと言われておるのじゃ。
この原因じゃが、糖尿病になると、インスリンの不足及びインスリンの機能が弱くなることで、糖の代謝が進まなくり、「糖代謝の異常」が生じる。
この糖代謝の異常、つまり糖の代謝が進まなくなると、体は糖の代わりに、脂肪をエネルギーとして代用するようになる。その際に、ケトン体という強い臭いの元となる物質が血液に乗って全身に巡ってしまい、それが体臭となるんじゃ!

口臭に関していえば、糖尿病になると喉や口の渇きを覚えると言われたことがあるじゃろ!これは、口の中の唾液が少なくなっているためでもあるのじゃが、口の中が渇くと、ただでさえ口臭がするようになる!
それに加え、唾液には歯を守る役割がある。この唾液によって、様々な細菌の増殖を食い止めてくれているんじゃ!
唾液がなくなることで、細菌が増殖し歯周病の原因となる菌が増殖し、口臭が強くなる場合がある。だから、糖尿病の方は歯周病になりやすいとも言われておる!

わかりやすく言うとこんな感じじゃ。

糖尿病

唾液が少なくなる → 口臭

歯周病 → 口臭

また、喉の渇きを潤すために、ジュースを飲んだり、清涼飲料水を飲む方も多いじゃろう。また、血糖値が不足した場合用にアメを舐める方もいらっしゃいじゃろうし。口の渇きを潤すために、ガムを噛む方もいらっしゃるじゃろう!
様々な甘い飲み物や食べ物を口にすることで、細菌が繁殖する場合があり、それが口臭の元となる場合もある。
それで、甘い飲み物や食べ物を口にした後は、必ずうがいや歯磨きを心がけることで、口臭を防いだほうがよいじゃろうな!