糖尿病から糖尿病腎炎への変遷、その理由

■仲良
「東石さん、お久しぶりです!糖尿病から、糖尿病腎炎になるって、一体どうされたんですか?」

■東石
「仲良くん、いやぁ、君とも随分しばらくぶりじゃが?君も糖尿病を患っておるのか?」

■仲良
「ええ、いや、毎日の暴飲、暴食、そしえ、仕事のストレスと運動不足がたたり、私もとうとう糖尿病患者になってしまいました。」

■東石
「実は、わたし、君のように糖尿病を患ったという実感が何一つなかったんじゃよ。というのも、私は一足先に会社を辞めて独立し、
猛然と忙しい毎日を過ごしてしまったために、ろくに健康診断も受けることができない状態だった。
君のように、食事は不規則で、暴飲暴食もした。運動不足だったことも認める。
ただ、君も知ってのとおり、糖尿病の初期段階というのは、さほど、自覚症状を伴わないんじゃよ。
つまり、私は糖尿病である自覚もないままに、放置してしまい、特に治療も行わなかった。」

■仲良
「ということは、東石さんは、しばらくそれを放置したということですか?」

■東石
「そう、そのとおり。
食べても、食べても、さほど太らなかったし、食欲があり過ぎていくらでも食べれた。
けれど、急に太りはじめ、おしっこの回数がやたら増え、匂いもかなり気になるようになった。いつの間にか全身がだるくなり、
疲れやすいななんて感じて、医者に通ったその時は、既に、病状が深刻で、合併症である糖尿腎炎に進行していたというわけなんじゃよ。
わしの場合、自覚症状が出て、病院で検査をしたとき、既に、顕性アルブミン尿の数値が、300を超え、持続性タンパク尿の数値も軽く、0.5g/gCrを超えてしまっていた!
勿論、蛋白尿は陽性で、医者からは「いやぁ、残念ですが、糖尿病を通り越して、糖尿病腎炎という合併症を併発しています。透析の必要もあるようです。」と宣告されてしまった…。」

■仲良
「で、いったいどんな状況まで病状は進行してしまったんですか?」

■東石
「所謂、顕性腎症期というステージでいえば、第三期にまで進行していたというわけなんじゃ…。
だから、とにかく、自覚症状のない初期段階で、きちんと、健康診断を受け、身体の状態をチェックしておく必要があったということなんじゃな…。
更にこの症状を更に進行させる原因というのが、高血圧。
もともと、血圧がさほど高いほうではないので、特に心配もしていなかったんだけれど、自覚症状が出始めた時の検査で、上が180近く、下も120に近かった。
更に厄介なのが高血糖。高血糖は腎臓の機能に大きな影響を与えることになる。
腎臓は、糸球体と呼ばれる細小血管の塊が集まった組織なんじゃよ。この糸球体が、左右の腎臓のなかに100万個ずつもあってね…。
この糸球体の一つひとつで、血液中の老廃物がろ過される仕組みになっているんじゃが、糖尿病性腎症は、糸球体の細小血管が狭くなって、
十分に老廃物をろ過できないために起こってしまうんじゃよ…。
それらの要因は高血糖ということになる。
糖尿病患者は健常者の方に比べれば、ちょっとした血糖の上昇でも高血糖になっちまうんだ!」

■仲良
「つまり、まとめると糖尿病、初期段階における対応が必要なんですね?」

■東石
「そうそう。
結局、厳しい糖質制限や十分な水分補給といった食生活の大きな改善や、心臓に負担をかけない程度の適度な運動。
そして、ストレスを感じないように、自分の体調に合わせた仕事の仕方というのを進めていかねばならぬみたいなんじゃ。
とにかく、自覚症状がないからといって、放置するのではなく、小まめに病院にいって、検査をし、自分の身体の状況を把握することが必要なんじゃよ!」