■仲良
「東石さん、いろいろお話を伺って思うのですが、結局は僕のように糖尿病に至った時点で治療することが大事だとわかったんですが、どうすれば進行を食いとめることができたのでしょう?」
■東石
「そうそう、君のいうとおり、わしの場合、自覚症状が出始めたころにはもうすでに手遅れで、透析は避けては通れない状況になってしまった!
つまり、常日頃から、健康を考え、ちゃんと定期的に健康診断を受け、自分の身体の状態を把握することが大切なんじゃ!
そして、ステージの進行が進む前の初期段階、つまり、今の君のような状況の時に、適切な処置、対処、療法を行うことが必要じゃったんじゃな!
じゃぁ、具体的にどのようなことをすればよかったか?について例を挙げながら、紹介してゆこう!」
■仲良
「はい、東石さん、ところでそもそも糖尿病になるってどういうことなんでしたっけ?」
■東石
「そうじゃな!
大切なのは、血糖値と、フルクトサミンという2つの値をなるべく基準値に近づけることが大切なのじゃ!
ここで気をつけなければならないのが血糖値には2つの検査項目があること
ひとつはHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)で、これが血液検査での血糖値になる。単位は%で、数字が大きいほど血糖値が高いことになる。通常の数値は4.3~5.8程度で収まっているもの!
そして、一般的に言われる血糖値の数値についてじゃが、空腹時の状態で100mg/dl~110mg/dl未満が良いとされておる。ただし、この範囲は正常値でありながら110mg/dlに数字が近くなるにつれ注意対象にカウントされるようになったそうじゃ。食後2時間後の測定なら140mg/dl未満が正常値!ブドウ糖負荷試験(OGTT)をすると、より正確な数値が判明するぞ!
次に、フルクトサミンについてじゃが、長年、血糖値の指標には上記のHbA1cが使われておったが、HbA1cを調べれば検査した時より1~2ヶ月前の血液状態を知ることができ、ごまかしがきかないので利用されておったが、調べた直近の内容が分からないという欠点があった!
その欠点を補うものとして登場したのがフルクトサミン(FRA)!。
同じく血液を採取して、糖とタンパクが結合した糖化タンパクを調べる。正常値は205~280μ mol/l。糖尿病の患者さんはひとまず320μ mol/l未満にすることを心がけにゃならん。この検査では、直近2週間前の血糖平均値がわかるようになるんじゃ!」
■仲良
「じゃあどうすれば、血糖値は下がるのでしょうか?」
■東石
「そうじゃな!やはり、
基本となるのは、食事療法と運動療法!
食事療法では以下の点に考慮する必要がある!
食べる量と食べ方を見直すことで血糖値をコントロールしていこうという治療法で、ポイントとなるのは
・バランスの取れた食事にすること!
・野菜を多めに食べること!
・最初はおかず(副菜)を食べ、それからごはん(主食)を食べるようにすること!
・ごはんを制限するよりも、いも類を制限すること!
・油もちゃんと摂ること!
・夕食を食べ過ぎないこと!
・一日三食きっちり食べること!
・お菓子は控えめに、または食べない、食べる場合は糖尿病用のものを選ぶこと!
・お酒を控えること!
・麺だけの食事は控えること!
・よく噛んで時間をかけて食べること!
手軽だからとおにぎりだけですとか、麺だけの食事にしておらんか?
ごはんや麺類などの主食の成分は炭水化物。炭水化物はブドウ糖の元になり、それだけが体に入ると血糖値を急激に上昇させてしまいます。おかずを一緒に食べることで、また主食よりも先に食べることによって消化をゆっくりにすることができ血糖値の急上昇を防いでくれるんじゃ!
ここは注意して食事にあたらにゃならん!
次に、運動をすると私たちの体はエネルギーとしてブドウ糖を消費する。糖尿病では血液中に多くの糖が溢れた状態になっているため、
運動をすることによって効率よく糖を消費させようと言う治療法じゃ。
次に運動療法!
運動には、主に瞬発的な無酸素運動と、持続的な有酸素運動の2種類がある!
無酸素運動は足だけや腕だけのように体のごく一部のみを動かすが、有酸素運動は全身をフル活用させるため、運動療法では遅めのジョギング、体操、水泳、サイクリングなどの有酸素運動が推奨されておる!
食事をしてから30分~1時間後が血糖値上昇のピークなので、その時間帯を狙って上記の運動をするようにすると血糖コントロールに効果があるとされておる。また、体の中にある糖が燃焼されるようになるまでに15分はかかるので、最低でも15分以上継続して運動するとよいんじゃ!
ま、とにかく大事なことは、普段から暴飲暴食を割け、規則正しい生活を送り、適度な運動を行うこと!」
■仲良
「なるほど、食事療法と、運動療法が大切ということはわかりましたが、糖尿病の進行を食い止めるために他に必要なことってなんでしょうか?」
■東石
「そうじゃな、
とにかく、繰り返すが、普段から、定期的に健康診断を受け、自分の身体の状態を把握することが大事!
自覚症状が出てからでは、もう遅いんじゃからな!
仲良くん、気をつけたまえよ!」