慢性合併症と急性合併症

慢性合併症と急性合併症 マンガで解説

糖尿病の合併症は「慢性合併症」と「急性合併症」に分けられます。

通常、糖尿病の合併症という場合は「慢性合併症」のことを指します。
「慢性合併症」は、血糖コントロールがうまくいかず、 血糖が高い状態が数年から十数年も続くことで起こります。この「慢性合併症」には、【A】糖尿病である人にだけ起こる合併症と、【B】糖尿病であることで起こりやすくなる合併症の 2つがあります。

【A】糖尿病の人だけに起こる合併症は、「糖尿病性網膜症」、「糖尿病性腎症」、「糖尿病性神経障害」があります。これらは、「糖尿病の3大合併症」と呼ばれるもので、細い血管が高血糖により侵されて起こるもので、糖尿病にだけ起こる特有の病気です。
【B】糖尿病であることで起こりやすくなる合併症には、「動脈硬化」や「脳梗塞」、「狭心症」、「心筋梗塞」、さらに「高血圧」、「脂肪肝」などがあります。

一方、「急性合併症」とは、血糖の値が高すぎたり低すぎたりすることが直接体に影響して起ります。
「急性合併症」には、高齢の方のよくみられる「非ケトン性高浸透圧性昏睡」や、インスリンの分泌が極端に不足したときに起こる「糖尿病性昏睡」などがあります。

「急性合併症」は、それほどよく発症するものではないですが、急性に起こって意識がなくなり、昏睡となる場合もあり、すぐに生命の危険につながるものなので、どうすれば「急性合併症」にならずにすむのか、また発症してしまった場合の対処方法など、事前に主治医から聞いておくことが重要です。