薬には主に5つの種類があります。
1つはすい臓を刺激して、さらにインスリンの分泌量を増やす薬です。(SU剤・スルフォニル尿素薬)
しばらくは効果がありますが、原因が感受性の不良にある場合、すい臓をさらに働かせることだけでは、解決になりません。
むしろ、すい臓の疲労を早めるかもしれません。またインスリンが増えると食欲が増し体重増加の副作用があります。
2つ目の薬は、腸での糖質分解を阻害し、糖質が血液中に吸収されるのを抑える薬です。(食後過血糖改善剤・aグルコシダーゼ阻害剤)
副作用としては腸内の糖質が分解不足となり、腹部膨慢感、おなら、便秘、下痢、嘔吐、肝臓障害もおこりうるとされています。
3つ目の薬は肝臓に作用して肝臓に蓄えられているグルコース(糖分)などの放出を抑える薬です。(ビグアナイド剤)
高齢者や腎臓機能障害、心機能障害を持っていると重大な副作用(乳酸アシドーシス)を引き起こす可能性があります。
4つ目の薬は、近年使われるようになったインスリン抵抗性改善薬です。
空腹時血中インスリン値の高い患者に有効率が高いとされています。
そのほか、吐き気、体重増加、心不全などの副作用もあるとされています。
5つ目の薬も最近開発された薬で、即効型インスリン分泌薬と呼ばれます。
薬を飲むとすぐに作用が現われ、作用時間が短いという特徴があります。
低血糖の副作用を少ないとされていますが、やはりすい臓に負担をかけることは間違いありません。
新しい薬ですので、未知の副作用の心配もあります。
これらの薬を多くの場合、単独ではなく複合的に処方して用います。
しかし、薬の服用が長期にわたると、さまざまな臓器や細胞に負担をかける結果となりますから、副作用の危険性も増してきます。
低血糖になる危険性は日常的に起こりえます。
肝臓や腎臓などに障害が現れると、次はそちらの治療も必要になります。
現在、「軽い薬ですよ」などといわれて薬を処方されている人は、この5種類のうちどの薬を処方されているのかを医師に聞く事は大事な ことだと思われます。それにより解決法も考えやすくなります。
しかしなぜそのように、薬を使ってまで血糖値を下げるのかというと、糖尿病はそれ自体で死ぬことはありませんが、合併症が怖いのです。
糖尿病の合併症には腎症、網膜症、動脈硬化、高血圧症、神経症などさまざまあり、血糖値の高い状態が続くと血管にも障害が出て やがて血管がボロボロになることから、心臓障害、心筋梗塞や脳梗塞など突然死のリスクも高まるのです。
血糖値が常に高いままでは危険なので、無理して薬で下げるのです。
しかしそれでは根本的な解決にはなりません。
薬で抑えていても、生活習慣を変えるなりして根本の原因を取り除かないと、すい臓の疲労は除々に進行していきます。