タバコの煙は有害物質の巣窟で、吸うと動脈硬化が進む原因になります。
糖尿病の患者さんは、もともと動脈硬化が進みやすいので、症状を悪化させないためにも、すぐに禁煙しなければなりません。
問題なのは、禁煙すると太りやすいということ。
実際禁煙に成功した人の3人に2人は体重が増加する、といわれています。
理由としては、タバコをやめると食事がおいしくなったり、消化吸収がよくなったり、有害物質を代謝によって処理するための無駄なエネルギーが使われなくなったりするからではないかと 考えられます。
体重が増えてメタボリックシンドロームになると、糖尿病が悪化するばかりか、高血圧・脂質異常(血液中の脂質が増えた病気)、さらには心筋梗塞・脳卒中などを招くリスクも高まります。 禁煙後の体重増加には、十分に注意を払う必要があるのです。
また、健康な喫煙者が禁煙した場合は、体重が増加するだけでなく、糖尿病にかかるリスクも高くなります。
米ジョンズ・ホプキンス大学医学部の調査では、禁煙したばかりの人の糖尿病の発症率は非喫煙者より60%も高く、特に禁煙後3年間が最も危険だと報告されています。 ちなみに、喫煙者の糖尿病の発症率は、非喫煙者よりも30%高いだけでした。この差は、禁煙後の体重増加が原因だといいます。
しかしこうした事実があるからといって喫煙者がタバコを吸い続けていいという理由にはなりません。
禁煙後、適切に運動を行えば体重増加を予防できます。禁煙をしたら体重の変化に十分気を配りましょう。