私もそうですが、食べすぎは高血糖や糖尿病を招く最大原因の一つだと言われています。
たくさん食べてしまう人は早食いである事が多いようです。
食事をとると、糖分が吸収されて血糖値が上がったり、食べ物で胃が刺激されたりします。
このような体の変化を情報として受け取り、満腹になったことを感じるのが、脳の満腹中枢です。
この満腹中枢が正常に働かなくなると、人間はどんなに食べても満腹感を覚えなくなってしまいます。
満腹中枢が働き出すのは食事をはじめてから約20分後だといわれています。
ゆっくり時間をかけて懐石料理などを食べると、たくさん食べたわけではないのに満腹感があり、満足したという経験がある人は多いでしょう。 しかし、早食いをすると満腹になったという情報が脳に伝わる前にすれに食べ過ぎている可能性が大きいのです。
では、早食いであっても、食べ過ぎないように心掛けたり、食事制限をしたりすれば問題ないのでしょうか?
残念ながらそうとは言い切れません。というのも早食いそのものが、高血糖を招く原因になるからです。
日本人はもともとインスリンの分泌量が少なく、またインスリンの分泌が遅い体質です。
なぜなら昔から豆類や根菜類など消化、吸収のスピードが遅い食品を食べてきました。また肉食の習慣がほとんどないうえに、 脂肪摂取が少なかったこともあって、インスリンがゆっくりと分泌され、しかも分泌量が少ない体質として進化したと言われています。
なので日本人の場合分泌量が最も多くなるのは食事開始から30分後になります。
これが、早食いをするとインスリンの分泌が追いつかないために血液中のブドウ糖が体内の細胞にすぐ取り込まれず、血糖値が高くなります。 つまり、同じ量の食事をとっても早食いの人の方が、ゆっくり食事をした人に比べて食後の血糖値が高くなりがちなのです。
ではどのようにすれば早食いをやめて高血糖を改善することができるのでしょうか?
早食いをやめるにはゆっくり食べるしかないのですが、なかなか実行できません。
そこで「1口10回かみ」です。早食いの人は1口につき10回噛むようにするだけでも食事の時間がかなり長くなります。 よく「1口30回かみ」とも言いますが早食いの人がいきなり30回かむ習慣を身に付けるのは難しいですよね。
1口10回かんで30分以上の時間をかけて食べることで、満腹中枢が刺激されます。
食後の血糖値の急激な上昇も防げるので、すい臓への負担も軽くなります。
食事のときは、最初に野菜から食べることも大切です。
野菜は糖分の吸収を遅くするので、血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。
テレビを見ながらの「ながら食い」もやめましょう。
食事に集中していないと満腹中枢からの信号を見落とし、つい食べ過ぎてしまうからです。
1口10回かみを行えば、食べ物をよくかむことで脳が刺激されて活発になる効果も期待できます。
唾液も多くでるので、消化吸収を助けたり、虫歯や歯周病の予防に役立ったりする効果もあります。