体を温める熱はどこから生まれるのかというと、それは食べ物からです。
体内に取り込まれた糖・脂肪・たんぱく質などのエネルギー源は、ミトコンドリアが担うクエン酸回路で酸化されて、エネルギーを生産します。 このエネルギーが、体内の各細胞・組織・器官の働きに利用され、その結果、熱が発生し体温が維持されるわけです。
エネルギー源の中でも、糖分は特に重要です。というのも、脳や神経細胞・筋肉細胞では100%、そのほか細胞でも、約96%が糖分だけを活動のエネルギーとしているからです。
そして人間の体熱の40%以上は、筋肉から生産されます。したがって、運動不足で筋肉を使わないでいると糖の消費が減り、血糖がだぶついてくるのです。
また、脳や肝臓からも20%程度ずつ、熱は産生されています。
そのため、あまり脳を働かさなかったり、お腹が冷えて肝臓の血流が悪い状態になったりしても血糖は増えやすくなります。
そのほか、腎臓・膵臓・脾臓・などあらゆる内臓組織でも体が冷えれば血行が悪くなり、細胞での代謝が悪くなって糖が血液中にだぶついてきます。
体の冷えは、あらゆる病気を招く元凶となります。
糖尿病も例外ではないわけです。実際、高血糖や糖尿病の人の大半は、冷え体質なのです。
人間の体の6割は水分ですが、水分をとりすぎたり排出が悪くなったりすると、体を冷やす原因になります。
そのため、水分のとりすぎにも注意が必要です。
そのほか、体を冷やす原因は、生活の中にたくさんあります。一つでも思い当たる項目があれば、体を冷やさないように注意して生活することをおすすめします。
併せて、毎日、体温を測る習慣をつけることも大切。
午前10時ぐらいに測って、36度5分以下なら、低体温の可能性があります。
では効率よく体温を上昇させるにはどうしたらいいのか?
『おなか』を中心に温めて下さい。
おなかの中でもオヘソの下の部分を『腎』といい、漢方ではこの腎の働きが活発かそうでないかによってその人の生命力や体力を判断します。 腎の働きが低下している状態を「腎虚」といい、病気を招き、老化も進みやすいと考えるわけです。
このような重要な部位にもかかわらずおなかは体の中でも特に冷えやすいところと言えます。
なぜなら現代人は生活が便利になってあまりお腹周りの筋肉を動かすことがなく、その為に筋力が衰え、お腹に脂肪や水分がたまりやすくなって冷えるのです。 また、おなかは下半身を巡って冷やされた血液が心臓に戻っていく通り道に当たっており、冷たい血液によって常に冷やされています。さらに、下腹にある腸や膀胱には便や尿が絶えず 滞留しており、それらが排出されるときにも体温が奪われ、お腹は冷やされることになります。
これといった病気もなく、体調がよければおなかはほんのりと温かいのです。
おなか全体がひんやりと冷たかったり、オヘソの上側に比べて下腹が冷たくなっていたりする人は、お腹が冷えているといえます。 こういう人は、すぐに下腹を温める「下腹温熱」を行いましょう。
冷え体質で高血糖の人は、カイロを当ててぜひ下腹や腰を温めてみてください。
また生姜も血流促進や体温アップをはじめ免疫力の強化にも大変役立つものなのでぜひ取り入れてみて下さい。