新薬は毒トカゲの唾液?

2010年日本で糖尿病の新薬が発売されたと話題になりました。
糖尿病は自覚症状がほとんどないので、検診などで糖尿と診断されてしまい、日に何度も自己注射をしたり、薬の服用を余儀なくされても効果の実感がないので途中で薬を止めてしまったりして思わぬ大きな合併症が起こったりします。

しかし新薬は1日1~2回でよく、単体で使えば低血糖という副作用もなく患者さんの負担を減らして、症状の改善も可能となるものです。
アメリカの軍人医療の医師である科学者が毒のある動物に噛まれると膵臓炎を起こす事から何が膵臓を刺激するのだろうかと興味を持ち、毒のある蛇やトカゲの唾液を集めて分析をしました。
その中にアメリカ毒トカゲも入っていました。

餌の少ない砂漠で生息しているアメリカ毒トカゲは食べられる時に大量に食べる為、血糖値が急激に上がらないような体の仕組みを持っていたのです。
口の中に血糖値が上がる事を膵臓に知らせる物質を作る器官を持っていて、膵臓がインスリンを出す準備をしてくれるので、血糖値が上がらずに済む仕組みになっています。

人間には同じようなお知らせ物質が小腸からでて急激に血糖値が上がるのを阻止していますが、糖尿病患者さんは膵臓の働きが遅く、量も少ないので血糖値が上がってしまうのです。
そのアメリカ毒トカゲのお知らせ物質を薬にしたのが話題の新薬なのです。
とはいっても毒トカゲから抽出したものではなくて、同じ成分で合成されたものです。
人間の体内でも分解されにくく長持ちするので薬の注射や服用が少なくてすむのです。世界中で糖尿病患者が増えているのでいろんな研究がされていますので、これからも新薬の開発がされていくことでしょう。