糖尿病腎症って一体どんな症状が体に起こるのか?

■仲良
「東石さん、ここで質問なんですが、糖尿病から糖尿病腎症に進行した際に、身体にはどのような変化が生じ、どんな症状になるんですか?」

■東石
「まず、糖尿病腎症に進行した際の具体的な症状に関して説明してしんぜよう。
先日も述べたとおり、第1期と呼ばれる腎症前期、第2期と呼ばれる早期腎症期にはほとんど自覚症状は感じられないんじゃよ。
顕性アルブミン尿の数値が300以上を超えた段階、もしくは、持続性タンパク尿の数値が0.5を超えた段階で、ステージは第3期と呼ばれる状況に進行し、むくみや息切れ、胸の苦しさ、食欲がでない、逆にいつも満腹感を感じるなどの症状を自覚するようになるんじゃ。
今度は、腎機能を示す数値であるGFR(eGFR)が30を下回るようになると、ステージは第4期・第5期にすすみ、顔色が悪くなり、ちょっとした運動や作業でも急に疲労感を感じるようになり、嘔気を催したり、実際に嘔吐してみたり、筋肉が急にこわばり始めたり、身体のいたるところつりやすくなったり・筋肉や骨に痛みが出て、手がしびれたり痛みを感じるようになり、さらには腹痛や発熱を頻繁に繰り返すようになるなど身体に大きな変化が生じるようになる。」

■仲良
「透析が主治医の先生によって検討されるのはいつ頃からなんですか?」

■東石
「ステージは第4期・第5期が進んだこの段階。この段階に来ると主治医は、患者さんへの透析を検討するようになるし、もしくは透析を薦めるようになる。
正直、この段階まで来ると、症状が改善させることはなく、進行を遅らせる、もしくは、症状を抑えるための治療として、透析と併用して投薬がなされるようになる。
だから、とにかく初期段階での、塩分やカロリー、脂質、糖質を抑えた、食事療法や適度な運動を毎日続けることで、身体の状況を改善する必要があったわけなんじゃんな…。
ただ、透析治療までステージが進行する、つまりステージ5まで進行すると、勿論、食事療法や適度な運動は必要とされるけれど、摂取するものに関する制限はなくなるんじゃ。」

■仲良
「えっ、なくなるんですか?」

■東石
「かといって勿論、暴飲暴食や塩分やカロリー、脂質、糖質を全く考えなくていいなんてことにはなりゃせんがね…。
なにせ、先日も述べたとおり、高血糖、高血圧は更に腎症のステージを進行させる要因になるわけじゃから。
だから、勿論、食事には気をつけなければならん!でも、厳密な制限はなくなるので、多少、食事に対するストレスは軽減されるというわけじゃ!
とにかく、自覚症状を感じるようになった、ステージ3以降、腎機能そのものが低下するわけじゃから、やはり透析が必要になってくる。
透析によって、血液を体内から外部へと出して機械を通して血液をきれいにし、再び体内に循環させる。このため、1分間に約200mlの血液を取り出す必要があり、これを長時間持続させるので、普通の血管ではこれだけの血液流量を確保できんのじゃ。だから、一般的には利き腕の反対の腕でなるべく前腕の手首に近い部位、または親指の付け根に血液の出入り口となるシャントというものを作成するんじゃ。シャントというのは、手術によって静脈と動脈をつなぎ合わせて太い静脈にしたもののこと指す。シャント作成の手術は局所麻酔で行われ、約1~2時間程度の時間が必要とされるんじゃ。」

■仲良
「透析はだいたい週にどのくらいの頻度で実施することになるんですか?」

■東石
「週に決まった回数、透析を実施できる施設のある病院に通院して治療を受ける血液透析についてご教示しよう。まずさきほど説明した、シャント、シャント部に脱血用と返血用の針を刺す。その後、最初は低い血液流量で設定された血液ポンプが動き始めると、動脈側の穿刺針から体外へ血液が引き出されてゆく。その後、個々の患者で設定された血液流量まで徐々に上げていき、体外へ引き出された血液は、血液ポンプを経てダイアライザーと呼ばれる、いわゆる人工腎臓に送られるんじゃ。ダイアラザーの中で余分な老廃物と水分が除去されてきれいになった血液は静脈側の穿刺針から体内に戻ってくる!この循環を各患者で設定された透析時間の間続け、予定した水分量が体内から引き出されたところで透析が終了するんじゃ。
わしの場合は週三度の透析を毎週受けておるがね…。
透析に至るまでに症状を改善させるにこしたことはなかったんじゃが、私の場合は、自覚症状が出た段階で、既に医者から透析を薦められる始末じゃった。
だから、こうなれば、もう覚悟を決めて、のんびり、ゆっくり透析を続けて、機能が低くなった腎臓を労わりながら、透析が腎臓の機能の代替してくれることを受け入れるしかないんじゃな!」