透析について

透析について マンガで解説

糖尿病の慢性合併症である「糖尿病性腎症」が悪化し、腎臓が十分に老廃物と過剰な水分を慢性的に除去できななった場合には、透析治療を受けることになります。この透析には、血液透析と腹膜透析の2つの方法があります。

血液透析とは、老廃物の溜まった血液を腕の血管から体外に導き、透析の機械に導入して、老廃物を取り除き、綺麗にした後に、再び体内に戻すという方法です。つまり、透析機が腎臓の替わりに血液をきれいにするのです。血液透析は、通常これを週に3回から4回、1回5時間くらいかけて行います。

次に腹膜透析ですが、これはお腹の器官を覆っている自分の腹膜を老廃物をろ過するフィルターの役割として利用することで、透析を行う方法です。カテーテルという柔らかいチューブを腹膜腔に差し込んで透析液を注ぎ込み、血液中の老廃物を透析液の中ににじみ出させます。腹膜透析は、通院しなくても自宅で透析できる在宅治療なので、仕事などで度々病院へ行けない人向きの透析方法です。しかし、自分で1日4回程度の透析液の交換をする手間がかかり、また、滅菌不足によるカテーテル挿入部の細菌感染症を起こしやすいといった欠点もあります。

腹膜透析によって腹膜の機能は次第に低下してくるため5年以上の長期の施行は通常行われず、4~5年経過後に血液透析に移行するのが最も良いとされています。
透析をしても腎臓の働きは元に戻るわけではなく、生きてゆくために一生人工透析を続けなければなりません。糖尿病を患っている人は人工透析と糖尿病との関連を忘れることなく、糖尿病性腎症がわかったらその時点で積極的に糖尿病の治療と共に腎症の治療もしていくことが重要です。