糖尿病とフルーツの関係

糖尿病は甘いものの摂取を控えなければならない場合が多いですが、このことから「フルーツにも糖分が含まれている。だからよくない」と、考える人がいます。
しかし、結論から言ってしまえば、そんなことはありません。
少し難しい話をすると、フルーツの糖質と、糖尿病で良くないとされている糖質は、異なるものです。

フルーツの主な糖質は、ブドウ糖、果糖、ショ糖等です。
果物によってどの程度、どういった割合でこれらの物が含まれるのかは異なってきますが、果糖は、肝臓で代謝されるため、糖尿病でよく言われるインスリンを必要としません。
但し、接種し過ぎた場合、コレステロール値を上昇させる場合があるので、別の問題をはらみます。

また、ブドウ糖等はインスリン作用の調節を受ける物質なので、これらの点を踏まえると、”絶対に摂取してはいけない”というものでは決してないものの、 ”摂取には適量”を心がける必要がある、と言えるかもしれません。

こうした背景もあり、専門家の中には取ること自体は禁止しない物の、1日80kcal程度を限度として指導を行う事が多いようです。

尚、フルーツと言っても色んな種類のものがあります。なるべくブドウ糖等よりも果糖を多く含むものの摂取を心がけた方が良いので、できれば、酸味と汁気の多い果物を選んで摂るようにしましょう。
これらの果物には果糖が多く含まれているからです。
但し、前述の通り果糖は肥満の原因になりやすいので、食べる量を「適量に」保つ必要があります。

逆に、バナナなどのネットリした果肉の果物は、でんぷんやブドウ糖を多く含みます。
ブドウ糖はインスリンの作用に関わって来るので、糖尿病の方が摂取するのには向いていません。

このようにフルーツは糖尿病に悪いという訳ではないのです。
但し、食べるフルーツの種類を選ぶことと、摂取する量をきちんとコントロールする事が必要になってくる、という事なのです。